国から地方への税源移譲により、平成19年分より所得税が減額され、その分、平成19年度分より住民税が増額されることになりました。所得税から住民税に税額が移しかえられただけですから、基本的に所得税と住民税の合算額は変わりません。
しかし、平成19年に退職するなどして、所得が大きく減った人の場合は注意が必要です。
というのも、所得税はその年の所得に対して課せられるのに対し、住民税は前年の所得に対して課せられます。つまり、前年(平成19年)に所得が大きく減り、平成19年分の所得税が課されないようなケースでも、前々年(平成18年)の所得に課せられる平成19年度分の住民税額は税源移譲により増額されているのです。所得税が課せられる所得があれば、所得税の減額という形でその調整を受けられますが、所得税が課せられないようなケースでは調整を受けることができません。
そこで、このような場合、市区町村に「住民税の減額申請」を行えば、税源移譲により増額された分の住民税を還付してもらえる制度が用意されています。ただし、この減額申請の申請期限は7月1日から7月31日までとなっています。期限を過ぎると減額措置を受けられなくなりますので注意してください。
還付を受けられるのは、平成19年度分の住民税の課税標準額が住民税と所得税の調整控除(人的控除)の差の合計額より大きく、平成20年度分の住民税の課税標準額が住民税と所得税の調整控除額の差の合計額以下の人。簡単にいうと、平成18年分は所得税が課税される程度の所得があったが、平成19年分は所得税が課税されない程度まで所得が減少した人です。ただし、平成19年中に亡くなられたり、海外へ転出して平成20年1月1日現在に国内に居住されていない人は対象になりません。また、寄附金控除額などの人的控除(配偶者控除、扶養控除、基礎控除など)以外の控除額が増加したり、住宅ローン控除などによって所得税が課税されなくなった人も対象になりません。
4月1日より、所有権移転外ファイナンス・リースが売買取引とみなされることになりました。所有権移転外ファイナンス・リースという聞きなれない言葉ですが、新しく誕生した言葉ではありません。以前からリース会計では所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースは区分されていました。
ちなみにファイナンス・リースとは、リース期間内での解約ができず、リース物件価額の大半を借り手が賃借料として支払うタイプのごく普通のリースのことです。
この2つのファイナンス・リースの違いを簡単に言うと、リース期間満了(または中途)時に、借り手が無償、または格安で所有権を獲得できるかどうかです。具体的には、(1).リース契約書に無償や格安で借り手に所有権を譲渡する項目が記載されていたり、(2).借り手しか利用できないような特別仕様の設備等の場合、(3).リース期間が設備等の耐用年数より相当短い(70%相当)場合−などは所有権移転ファイナンス・リースということになり、それ以外のファイナンス・リースは所有権移転外ファイナンス・リースとなります。
では、所有権移転ファイナンス・リースと所有権移転外ファイナンス・リースについて、税務上の扱いはどう違うのかというと以下の通りです。
■所有権移転ファイナンス・リース
◎取得時 :売買処理として資産計上
◎減価償却:一般の設備等と同様に減価償却
◎償却期間:設備等の耐用年数
◎消費税 :取得事業年度に消費税の課税仕入として一括仕入控除
■所有権移転外ファイナンス・リース
◎取得時 :売買処理として資産計上(原則※)
◎減価償却:リース期間定額法で減価償却(原則※)
◎償却期間:リース期間
◎消費税 :取得事業年度に消費税の課税仕入として一括仕入控除
※中小企業や少額物件の場合は、賃借料で処理することも認められる。
大きな違いは減価償却における償却方法だけ。つまり、毎年の償却額と償却期間が異なるだけということになります。
ただ、この償却期間と償却額の差が節税上で大きな意味を持つことがありますので、リース締結時は違いをしっかり認識しておいた方が良いかもしれません。
特に、リース期間が設備等の耐用年数より短いリースを組むときなどは、そのリース期間により償却額(=損金算入額)がかなり違ってくることもありますので、ご注意ください。
経営戦略の一環として生命保険に加入する会社は多くあります。なかでも、役員や従業員の退職金の原資確保を目的として、生命保険に加入するのは一般的な活用方法です。この場合、被保険者の退職時期に保険の満期を合わせて加入することになるわけですが、こうしたケースで税務上のミスが目立っているので気をつけなくてはいけません。
会社を契約者、役員および従業員を被保険者、保険金受取人を会社とする養老保険の場合、会社が支払う保険料は税務上、資産計上扱いとなります。満期が到来して保険金が支払われた場合には、保険積立金と受取り金額との差額を保険契約の満了時を含む事業年度の雑収入として処理することになります。
退職金の原資確保を目的として加入した場合でミスが目立っているのは、満期と退職時期がズレたケースです。
保険の満期と被保険者の退職時期がズレて、実際の退職が満期日の数年後になってしまうケースは少なくありません。この場合、満期保険金の収益計上も繰り延べようとする動きもありますが、これは誤りです。満期保険金の受取りと退職金の支給はあくまで別の取引であるため、満期保険金の収益計上を繰り延べることはできないのです。
当局では、退職時期と満期がズレるこうしたケースについて、課税のもれがないかチェック態勢を整えています。
くれぐれもご注意を。
「石川」 東証・大証1部上場で、北陸地区では有数の地場ゼネコン、真柄建設(株)(資本金69億3215万6989円、石川県金沢市彦三町1-13-43、代表奥村弘一氏ほか1名、従業員638名)は、7月5日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日保全命令を受けました。
上場ゼネコンの倒産は2007年9月の(株)みらい建設グループに次いで20社目となりました。
全国的な大型公共工事の削減などに伴って受注環境は徐々に悪化、そこへガソリン価格や、建設資材の高騰が拍車をかけたもようです。
今年の夏は「我慢の夏」となりそうです。
道路交通法の改正により、6月から後部座席のシートベルト着用が義務付けられました。
シートベルト着用については、高速道路の料金所の入口や出口で警察官がチェックしていますが、現在は周知徹底を図る猶予期間のためか、しばらくの間は本格的な取り締まりは行われないようです。
ところで、社員が仕事中に交通違反で捕まった場合、本人が受ける減点処分はどうしようもありませんが、反則金については“業務上”であることを理由に会社が肩代わりすると税務上はどうなるのでしょうか。損金として認められるのかどうか、判断は迷います。
そもそも、反則金は罰金や科(過)料と同様に「反則者への制裁」としての意味合いを持つため、社員が仕事中に犯した交通違反でも、その反則金は損金として認められません。
ただし、駐車違反などにおいて車がレッカー移動されてしまい、そのレッカー費用を会社が負担した場合は、この費用は罰則金ではないため損金にできます。
ちなみに、業務に関係のない反則金について負担した場合は、その社員への給料扱いとなります。
今日の新聞の記事です。
「街角景気2001年以来の低水準」
「倒産件数6.9%増加」
などなど。
原材料の値上げや景気の後退を受けて特に地方経済が深刻です。
業種的には建設業、不動産業、運送業がひどいようです。
今年の夏は我慢の夏ですね。
7月1日、国税庁が例年より1ヶ月早く、平成20年分の路線価を公開しました。路線価とは、国税庁が示す土地の値段で、相続税や贈与税において土地の評価を行う際の基礎となるものです。
なぜ、今年から路線価の公表が1ヶ月早くなったのかというと、国税局や税務署で行われていた冊子での閲覧をやめ、インターネットの閲覧だけにしたからです。閲覧用の冊子にかかる手間と時間を省いた結果、1ヶ月早い公開が可能になったわけです。
それでは、税務署に行っても路線価が見れないのかというと、そうではありません。各税務署には路線価閲覧コーナーが用意されており、そこに設置されたパソコンを使い、インターネットの路線価を閲覧できるようになっています。
なお、平成20年分の路線価では、全国約38万地点の標準宅地の平均額が3年連続で上昇しました。今回目立ったのは、仙台(前年比139.8%)、静岡(同128.4%)、さいたま(同120.1%)、千葉(同120%)など、大都市の周辺都市や地方中核都市の躍進です。都道府県庁所在地別でも、前年より5都市多い25都市で最高路線価が上昇。都道府県別では、昨年より2ヶ所多い14都道府県で平均路線価が上昇しました。
一方、これまで地価上昇を牽引していた3大都市圏では、一等地の地価に上昇率の鈍化や下落傾向が見え始めており、ミニバブルとも言われた地価の上昇傾向が、一応落ち着いた形になっているようです。
ちなみに、路線価日本一は今年も東京都中央区銀座5丁目の銀座中央通り(23年連続)。前年よりさらに27.6%上昇して3184万円でした。
平成20年7月の税務
顧問先様へのご案内にご利用ください
◇固定資産税(都市計画税)の第2期分の納付
納期限・・・7月中において市町村の条例で定める日
◇6月分源泉所得税・住民税の特別徴収税額の納付
(6ヶ月ごとの納付の特例の適用を受けている場合は、1月から6月までの徴収分を7月10日までに納付)
納期限・・・7月10日(木)
◇所得税の予定納税額の減額申請
申請期限・・・7月15日(火)
◇所得税の予定納税額の納付(第1期分)
納期限・・・7月31日(木)
◇5月決算法人の確定申告
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・(法人事業所税)・法人住民税>
申告期限・・・7月31日(木)
◇2月、5月、8月、11月決算法人の3月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・7月31日(木)
◇法人・個人事業者の1月ごとの期間短縮に係る確定申告
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・7月31日(木)
◇11月決算法人の中間申告(半期分)
<法人税・消費税・地方消費税・法人事業税・法人住民税>
申告期限・・・7月31日(木)
◇消費税の年税額が400万円超の2月、8月、11月決算法人の3月ごとの中間申告
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・7月31日(木)
◇消費税の年税額が4,800万円超の4月、5月決算法人を除く法人・個人事業者の1月ごとの中間申告(3月決算法人は2ヶ月分)
<消費税・地方消費税>
申告期限・・・7月31日(木)
今月は納期の特例を利用している場合、源泉所得税の支払いがあります。 お忘れにご注意ください。
国税庁と国税不服裁判所が「平成19年度における不服申立て及び訴訟の概要」を公表しました。
国税に関して受けた更正や決定などの処分に不服がある場合、納税者は租税争訟(そぜいそうしょう)法に基づき、税務署長等に対する「異議申立て」、国税不服審判所長に対する「審査請求」、裁判所での「行政訴訟(税務訴訟)」を行うことができます。今回の公表はこの租税争訟に関するものです。
同公表によると、平成19年度における異議申立て4690件(前年比109%)と審査請求2755件(同110%)はいずれも増加しています、一方、訴訟件数は345件(同86%)と減少しました。
目立つのは消費税に関する異議申し立て、審査請求、訴訟の各件数がいずれも増加していることで、特に審査請求の件数は前年比141%と大きく増加しています。国税庁の他の公表結果を見ても、税務調査や査察(マルサ)での消費税の事案は増加傾向であり、消費税についての税務トラブルは全般的に上昇しているようです。
なお、異議申し立て、審査請求を行った結果、なんらかの主張が認められて全部、または一部の処分等が取り消された割合は、異議申し立てが11.2%、審査請求が12.7%で、いずれも若干増えています。
また、昨年度、過去最高の国税側敗訴(一部敗訴含む)割合17.9%を記録した行政訴訟については、国税側の敗訴率が14.2%に下がったものの、それでも、ここ数年では昨年度に続き2番目に高い敗訴割合になっています。
ここ数年は、診察料や入院費のクレジットカード払いが可能な病院も増えたことから、医療費をカード払いする人も一般的になってきました。カードならば、リボ払いも可能であるほか、マイレージが貯まるなど、さまざまなポイント制度もあり、単に現金で支払うよりもおトクです。
ところで、診療費や入院費などをカードで支払った場合、2〜3 回程度の分割払いならば金利・手数料がかかりませんが、それ以上の分割払いになればローン扱いとなり、利息が発生します。カードローンは利率も高く、医療費が高額ならば、それに伴い利息も大きなります。
そこで、このカードローンに伴い発生した利息について、税務上「医療費」として含めることができるのか、疑問を持つ納税者も少なくありません。これについて税務当局は、「医療費控除における医療費に利息分は含まれない」としています。というのも、医療費控除は、医師などに対する診療、治療の対価を支払った場合に認められるものであって、カードローンに伴う利息は対象外だからです。